本棚にもルールがある 成毛 眞

本棚にもルールがある 成毛 眞

成毛 眞

本は10冊同時に読め!や超訳シリーズなどたくさんの出版を行っている成毛 眞氏は経営コンサルタントでありながら、無類のSF好きで、自ら書評サイトHONZも立ち上げるほど。

本棚は外付けの脳だが、容量は限られる

そんな成毛氏もたくさんの情報ストックとしての本や書籍・資料をお持ちだと思いますが、脳や電子書籍と違って、本棚には容量が限られています。とくに日本の狭小家屋ではなおさらのこと。

それだけに、

  • 定期的に整理し、
  • 分野ごとに区画わけをし、
  • 厳選した本だけを収納すること。

このような書籍管理の原則・ルールを守ることで、探している情報を見つけやすくなり、「買ったけどまだ読んでない、次に読まないといけない本」なども埋もれずにピックアップしやすくなるそうです。

書籍管理と読書法

こんな書籍管理の方法だけでなく、多忙な成家氏ならではの知力や仕事力の向上に役立つ読書法も紹介しています。

最近ではツタヤ図書館が話題になっていますね。ライフスタイル分類という独自の分類法でツタヤスタッフも元の場所に本を戻せない、、、ということで問題になっています。

個人の本棚では自分の趣味趣向に合わせた分類でOKですが、断舎利ほどではないにしても、定期的な整理は必要ですよね。

 

おだまり、ローズ ロジーナ・ハリソン

おだまり、ローズ ロジーナ・ハリソン

ロジーナ・ハリソン

ロジーナ・ハリソン氏は英国貴族の名家であるアスター子爵婦人に35年間、メイドとして仕えた「ローズ」。「おだまり、ローズ」とはまさにこのアスター子爵婦人からロジーナ・ハリソン氏に言われる言葉なのである。

アスター子爵婦人はイギリス初の女性議員

アスター子爵婦人は名家の夫人とは言え、ただの有閑マダムとは程遠いお人柄で、イギリスで初めての女性議員で男勝りの型破りな性格だった。

あのガンジーやチャーチル元首相が招待されたという子爵家での豪華な晩餐会では、そのチャーチルなどから「席が窮屈で何も食べられなかったよ」と苦情を言われても「ちょっとくらい痩せても害は無いわよ」と切り返すほど。

さらに戦時中にはロンドンと地元を往復して、市民のために議員として懸命に働く。

気の強い主人に負けないメイド

そんな気の強いアスター子爵婦人に使えるメイドはさぞや大変だろうと思いきや、始めは疲れ果てていたものの、だんだんと強気になっていきます。

ローズも相手に非があるときには場をわきまえず忠告する性格。

しかし、そんなときにアスター子爵婦人は「おだまり、ローズ」とたしなめる。しかし、それは決して上からの命令ではなく、コミュニケーションを楽しみ、信頼関係を確認する、深い愛情のあるものでした。

ローズも、戦時中に献身的に働くアスター子爵婦人を心から尊敬しています。

そんな古きよき時代の愛すべき主従関係や、地中海やカリブ海への海外旅行、さまざまな衣装やジュエリーなどを購入する20世紀前半の優雅な英国貴族の生活を垣間見ることができる。

格差と民主主義 ロバート・B・ライシュ

格差と民主主義 ロバート・B・ライシュ

 

ロバート・B・ライシュ

ロバート・B・ライシュ氏は民主党政権のオバマ大統領のアドバイザーであり、クリントン政権時にも労働長官などを歴任している大学教授です。

格差と民主主義

「格差と民主主義」では兼ねてからいわれているアメリカの格差社会の現状を冷静に分析しており、どうすれば格差を是正できるか、また、実際にどう格差を是正していくか、という提言を行っている。

超富裕層が政治献金で政治をゆがめる

アメリカでは人口の0.01%という、ごく一部の超富裕層が米国の富の90%以上を所有しているという超格差社会が出来上がっている。アメリカンドリームといえば聞こえはいいが、この超富裕層・大企業経営者が有力な政治家や団体に多額の政治献金を行い、ロビイストを雇って、富裕層の減税を要求。

その結果、所得税の最高税率は過去最低水準となり、税収が減ったために子供の教育や女性・低所得者などの社会保障カットに影響を与えている。

民主主義や経世済民の理想からは程遠いアメリカ政治

民主主義が単純に1人1票であれば、大多数を占める中低所得者層の生活向上を訴える政治家が選ばれるはずだが、党内の大統領選挙キャンペーンでも多額の政治資金が必要で、結局のところ集金力のある政治家が党内でも力を持ち、政策をリードする、というのがアメリカの現代政治の実情である。

2008年のリーマンショックでも多額の援助が金融機関や保険会社、大手自動車メーカーなどに振舞われ、多くの労働者がクビを切られたが、経営者や取締役たちは、赤字になっても数億円のボーナスや自家用ジェットを手にしている。

一方、貧しい地域や黒人・ヒスパニックでは日常的に差別を受けているだけでなく、教育環境も十分ではない。アメリカでも就職に重要視されるようになってきた学歴を得るためには、生まれながらにして格差が大きなハンディキャップになっており、貧困の連鎖が続く。

ゲームのモノポリーは最初は同じ資金を持って始めるルールだが、現実社会では資金も駒を進めるさいころの数も最初から開きがある「不公正なゲーム」なのだ。

不公正なゲームを止めるには

ロバート・B・ライシュ氏はこのような不公正なゲームを止めるには、一人ひとりの有権者が政治を監視し、ものを言う有権者になるしかないと言う。

市民一人ひとりの政治活動は、選挙の投票日に終わるのではなく、投票日の翌日、政治家が仕事を始めた日が本当の始まりである。

選ばれた政治家がどのように発言し、公約どうり政策を進めているか、監視し続け、おかしければ声を上げ、最終的には次の選挙で判断する。

日本でも所得税の最高税率は下がっており、法人税減税も進められる一方、消費税は引き上げ予定。もちろん国外との競争や財政再建もあり、理想だけでは実現できないのが政治だが、現実を整理し、分かりやすく説明し、しっかり課題解決をしてくれる政治家を、市民一人ひとりが選ぶ。

そんな「民主主義の基本」が今まさに問われている。

 

 

bookbloggersassociationは本や電子書籍の書評など活字文化を紹介していくサイトです。全国の本屋さんも紹介しています。