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おだまり、ローズ ロジーナ・ハリソン

おだまり、ローズ ロジーナ・ハリソン

イギリス おだまり、ローズ ロジーナ・ハリソン 文化 書評 貴族

ロジーナ・ハリソン

ロジーナ・ハリソン氏は英国貴族の名家であるアスター子爵婦人に35年間、メイドとして仕えた「ローズ」。「おだまり、ローズ」とはまさにこのアスター子爵婦人からロジーナ・ハリソン氏に言われる言葉なのである。

アスター子爵婦人はイギリス初の女性議員

アスター子爵婦人は名家の夫人とは言え、ただの有閑マダムとは程遠いお人柄で、イギリスで初めての女性議員で男勝りの型破りな性格だった。

 

あのガンジーやチャーチル元首相が招待されたという子爵家での豪華な晩餐会では、そのチャーチルなどから「席が窮屈で何も食べられなかったよ」と苦情を言われても「ちょっとくらい痩せても害は無いわよ」と切り返すほど。

 

さらに戦時中にはロンドンと地元を往復して、市民のために議員として懸命に働く。

気の強い主人に負けないメイド

そんな気の強いアスター子爵婦人に使えるメイドはさぞや大変だろうと思いきや、始めは疲れ果てていたものの、だんだんと強気になっていきます。

 

ローズも相手に非があるときには場をわきまえず忠告する性格。

 

しかし、そんなときにアスター子爵婦人は「おだまり、ローズ」とたしなめる。しかし、それは決して上からの命令ではなく、コミュニケーションを楽しみ、信頼関係を確認する、深い愛情のあるものでした。

 

ローズも、戦時中に献身的に働くアスター子爵婦人を心から尊敬しています。

 

そんな古きよき時代の愛すべき主従関係や、地中海やカリブ海への海外旅行、さまざまな衣装やジュエリーなどを購入する20世紀前半の優雅な英国貴族の生活を垣間見ることができる。