記憶の仕組み 脳の神経細胞とシナプス
教育や学習というと、「暗記や記憶」と「考える能力」の両方が必要になります。
その中で、「記憶」に関してはかなり研究が進んでおり、最近では井ノ口馨博士が「記憶を操る」、「記憶をコントロールする」などの興味深い書籍を出版されています。
記憶は脳の神経細胞のつながり
最近は哲学ブームでもあり、「心はどこにあるのか」といった本も出版らされていますが、「記憶が脳に蓄えられている」と言うのはおそらく確かなようです。
そして実際、脳のはどのように記憶を蓄えているのかというと、
脳にある神経細胞が隣の神経細胞と「シナプス」と言う神経細胞間の接合部を介して結合しています。
複数の神経細胞が同時に活動すると、その神経細胞間のシナプスの結合が強くなるということです。
このように、シナプスの結合が強化された状態が、長期間続くのが記憶だと言われています。
そのために、ある経験が記憶される場合には、その時たまたま活動した神経細胞集団に「符号」として記録されます。
例えば季節や場所といったようなものですよね。
そして別の経験については、別の神経細胞集団に記録されるため、ある特定の神経細胞集団が活動すると特定の記憶として思い出すわけです。
連想して思い出されると言う事ですね。
このように同じような経験を以前にしてるような場合には、その記憶を無意識に思い出していることが多いため、新しい記憶と過去の記憶や経験が関連することになってきます。
60歳70歳でも、新しく記憶できる理由
1つの記憶に対して、数十万以上の神経細胞が使われていると言われています。
この数はびっくりするぐらい多いように思いますが、実際には人間の脳のシナプスは100兆個以上あると言われています。
さらにその「シナプスの組み合わせ」ということで考えると、無限大と言うことができます。
そのため60歳70歳になって、それまでにたくさんの記憶や経験をされている状態でも、新しいことが覚えられいるということです。