コロナ明け学校再開でも子供たちの様子がおかしいという相談が急増
新型コロナウイルス感染拡大防止のために緊急事態宣言が出され、2020年3月から5月まで日本各地の学校は休校状態でしたね。卒業式や入学式もできず、高校野球も中止と異常事態は続きますが、緊急事態宣言解除で6月1日から授業を再開した学校も多いです。
再開した地域ではちょっと心配な声が
しかし、実は再開した地域ではちょっと心配な声が聞こえてきています。不登校の子どもを支援する機関でカウンセラーを務める桑原広大さんです。学校が再開した地域から「子供たちの様子がおかしい」という相談が増えているといいます。
ストレスがかなりお子さんにもかかってる状況で。学校に来なかったりですね。あのトイレに入ったきり出てこなくなったり。さらに朝元気よく学校に行ったのに、ぐったり疲れて帰ってくることも。
いったい学校で何があったのでしょうか
教室が緊張感に満ちている
桑原さんによると「今教室が緊張感に満ちている」といいます。休み時間の時とかですね、教室が静かでま誰も話さずしんとした空気が流れてたっていうお話も聞いてたりしています。学校で感染が起きてはいけないと、しきりに注意されているといいます。そこで例えば一人がくしゃみをすると、授業が止まって空気が凍りつくこともあるそうです。くしゃみしそうになったけども我慢したとか。休み時間も別々だったりして友達にも会えず、席も離れていて会話は弾みません。
経験したことのない居心地の悪さ。そんな環境になっている学校もあるんです。平常どおりに見えるしれないんですけども、中身に流れる空気感ってのはちょっと違う姿になってますね。
- 友達との遊べない。
- 休校の遅れを取り戻すために時間授業が増えるので、集中力が持つかどうか心配。
- 行事や部活がなくなって落ち込んでいます
と言った不安の声ですね。子供達に対して親は何ができるのか。ここからは子供の不登校について20年にわたって取材している石井しこうさんに話を聞いていきます。学校が再開したとしても安心はできないそうですね。あまり不安なことばかりいたくないんですけれども、もうこの休校中から子供は私たちの想像以上にストレスや悩みを抱えてる状態だと思われます。ですので、今まで心配がなかった子供にも異変が出てきておかしくないのかなと。なので少しまだ注意をする時期かなという風に思っています。
子供の異変どんな行動が SOS のサイン?
では子供の異変どんな行動が SOS のサインなのか。石井さんが指摘するのはこちらです。
- 朝起きてこない
- 頭痛や腹痛を訴える
- 食欲がない
こうしたものはお気づきになる方も多いと思います。ただ今回新型コロナで長い休暇明けの今だからこそ特徴的に現れているサインが二つあるそうなんです。
- これまでと比べて勉強が手につかない
休校中に出された宿題が終わっていない、ということも多いと思うんですけれども、勉強しようと思っても頭が真っ白になってしまうとか、ストレスや悩みを考えてそういう状態になったことがあります。それもストレスの一つだと覚えておいてほしいと思います。
- 感染を過度に恐れている
本当に「感染が怖い」という子も多いと思うんですけれども、この「感染したくないから学校に行きたくない」という話を聞いたんですね。これは感染を恐れているというよりは、親に言えない理由があって学校に行きたくないと言ってることもあるので、ここも本当の気持ちに気づいてあげてほしいなという風に思ってます。あえてこれを言っている可能性があるという。
子供の異変を感じたときの効果的な対処法
そうした子供の異変を感じたらどうすればいいのか。石井さんが指摘するキーワード三つです。まず一つ
注意より雑談
「手を洗いなさい」ですとか「勉強しなさい」と言った注意ばかりではなくですね、学校での疲れ、緊張感をほぐすためにも「雑談する時間を大切にしてください」ということで。
たまには放っておく
これ小学校高学年以上の子供に言えることだそうですが、あえて子供から目を離す時間を作ってもらえればなと。もう一日1時間でも2時間でもいいんですけれども別の部屋に入っていただいたり、ふすま一枚、二枚向こうにいるだけでもですね、子供も一息つけるって言うことがありますね。
親が開き直る
そして最後。親が開き直る。これについては、もう先が見えない状況で本当親の方が焦ってしまうっていうのがあるんですけれども、今の勉強の遅れだったり生活リズムの乱れだったりいろんなことがあるんですけども、もう、今、非常時だということで開き直って、おおらかに子供に接してほしいなという風に思ってます。お家ですね不安を抱えていると思うんですけども、その中でおおらかに。
具体的にどういうことをすればいいんでしょうか。たとえば「明日もう学校が嫌だ」って話を子供がしていたら、「休んじゃおう」とか。もっと深刻な状況の場合は、率直に親が「大丈夫?お母さん心配だけど。。。」と聞いてもらって結構です。
その場合2点だけお願いしたいのが
話を率直に聞いたら、子供が話し始めたら途中で遮らない
親からアドバイスしたい場合は、一呼吸おいても、翌日でもいいんです、アドバイスは。一呼吸おいていただけると嬉しいなと思います。やっぱり親がやっぱ不安になってると、子供も不安になってしまいますので、その不安な気持ちを子供に八つ当たりせずにですね、親同士の空間・大人同士の空間で感情を発散させて欲しいなという風に思ってます。
子供とはいえ、大人と同じように一人の時間を持たせてあげると言うか、ちゃんと人格を尊重してあげることなんだなっていうのは思いますね。あと親がプチカウンセラーと言うか、家にいながらにして良いカウンセラーになるような感覚じゃないと駄目っていうことは、親である私自身も一人の時間を保たなきゃいけないし、リラックスの状態を保たなきゃ良いカウンセラーにはなれないのかな、ってお話し聞いて思いました。
24時間子供SOSダイヤルもあり、大人も子供も受け付ける